今回の記事で分かること
- 時価総額加重平均と均等加重平均、どっちがいいの?
- VOO(時価総額加重平均)とRSP(均等加重平均)のどっちが成績がいいの?
この記事では上記の疑問を解決するよ!
はじめに
時価総額加重平均は、時価総額に従って
構成銘柄の比率を決めていく方法なので、
大型株の比率が多くなります。
そのため、大型株の業績が悪化する局面で、
下落幅が大きくなってしまうという欠点があり、
その欠点を対策する方法として
均等加重平均があります。
時価総額加重平均と異なり、均等加重平均では
構成銘柄を一定比率で組み入れます。
そこで本記事では、S&P500に連動するETFを
用いて、時価総額加重平均と均等加重平均の
どちらが長期投資で優れているのか検証します。
☆今回の結論
- 個人的には時価総額加重平均型がおすすめ
- 時価総額加重平均は市場平均に連動できる点でメリットが大きい
- 均等加重平均は小型株の比率を上げてしまう点でデメリットが大きい
- VOOとRSPに関して、2011~2024年まではVOOの方がパフォーマンスが良い
- コロナショックや2022年の暴落時の株価の戻りもVOOの方が早かった
時価総額加重平均と均等加重平均の違い
時価総額加重平均と均等加重平均の違いについて
解説していきます。
時価総額加重平均とは?
時価総額加重平均は、時価総額で重みづけをして
組み入れ銘柄の構成比率を決める方式です。
マーケットウェイトと呼ぶこともあります。
つまり、時価総額の大きい企業ほど
割合を多く組み入れるという方式です。
例として、VOOを用いると
以下のようなイメージです。
時価総額加重平均のイメージ
時価総額が大きいものほど、
組み入れられる割合が大きいことがわかります。
【S&P 500、ナスダック100、上海総合指数、
東証株価指数(TOPIX)、NIFTY 50(インド)、
ドイツ株価指数 (DAX)等】
時価総額加重平均のメリット・デメリット
☆時価総額加重平均のメリット
- 指数内の『新陳代謝』が促進される(業績の悪い銘柄は割合が少なくなる)
- 小型株は少なく、大型株は多く組み入れるため流動性が保ちやすい
- 市場平均と連動してる
☆時価総額加重平均のデメリット
- 時価総額が大きい企業の影響を受けやすい
- 時価総額が小さいものの成長性の見込める小型株を取りこぼす可能性がある
- 過大評価されている銘柄も多く組み入れてしまう可能性がある
均等加重平均とは?
均等加重平均は、構成銘柄の組み入れ比率を
等分する方式です。
イコールウェイトと呼ぶこともあります。
時価総額加重平均と違って、
企業の時価総額にこだわらずに
どの銘柄も同じ金額分だけ買い付けます。
例として、RSPを用いると、
以下のイメージになります。
均等加重平均のイメージ
上記の図からわかるように、
全ての銘柄が均等の割合で組み入れられます。
【S&P500 Equal Weight 指数、ダウ平均、SPYD等】
均等加重平均のメリット・デメリット
☆均等加重平均のメリット
- 成長性の高いハイテク株や一般消費株の占める割合が少なくなりやすいので、弱気相場でも損失が抑えられる
- 小型株も同じ割合で組み入れるので、小型株の成長によるリターンを大きく取れる可能性がある
☆均等加重平均のデメリット
- 成長性の高いハイテク株や一般消費株の占める割合が少なくなる傾向にあり、強気相場で利益が取れない
- 流動性の低い小型株も大きく買うので、小型株の値を吊り上げてしまい、運用額が大きくなると割高で買うことになる
時価総額加重平均と均等加重平均、どっちがいいの?
僕の見解は
理由は、「株価を引っ張ってくれる
大型株のウエイトを大きくして、
業績の悪い株のウエイトを自動的に下げてくれる」
からです。
均等加重平均は小型株のウエイトが
大きくなるので、業績の良くない
企業の割合が大きくなるのが
僕的には不安要素に感じてしまいます。
また、時価総額加重平均は市場平均と
連動するのがメリットが大きいです。
9割以上の投資家は15年という長期で見ると、
インデックス投資に負けるというデータがあるよ!
つまり、時価総額加重平均の指数を買えば、
個人投資家としては平均点以上が取れる
可能性が高いので、
そのメリットはかなり大きいです。
均等加重平均の致命的な欠点
均等加重平均の致命的なデメリットである
「流動性の低い小型株も大きく買うため、
相場に影響を与えてしまう」点は
大きな欠点だと考えます。
均等加重平均では、
時価総額の小さい小型株にも
一律で多くの資金が投資されるため、
株価の吊り上げ(売買スプレッド)が
発生してしまいます。
株価に大きな影響はないけど、時価総額が10億ドル程度の企業に1億ドル投資すると株価が急騰すると思わん?
これって投資信託やETFの運用額が大きくなればなるほど顕著にデメリットとして出てくるね!
S&P500を時価総額加重平均と均等加重平均で比較する
S&P500について、時価総額加重平均と
均等加重平均を比較してみます。
それぞれ以下のETFを用いて比較します。
- 【VOO】The Vanguard S&P500ETF:時価総額加重平均型
- 【RSP】Invesco S&P 500 Equal Weight:均等加重平均型
過去5年間のチャート比較【VOO vs RSP】
以下のチャートはVOOとRSPの
2011年~2024年までの価格推移です。
VOOが青線、RSPが黄線です。
※画像をクリックすると拡大されるよ!
2011年~2024年までのリターンは
VOOが+291.39%、RSPが+228.98%と
VOOが上回っているのがわかります。
(※切り取る期間によってこれは変化します。)
株価を引っ張ってくれる大型株のウエイトを
大きくして、業績の悪い株のウエイトを
自動的に下げてくれる」
という効果が出てるのかと考えてます。
最近S&P500の上位5銘柄が株価を引っ張っていて、
残りの495銘柄はTOPIXとリターンが変わらないと
言われていて495銘柄不要説がありますよね。
僕はその考えは間違ってると思っていて、
時価総額加重平均は最強やと考えてます。
コロナショックと2022年の暴落からの立ち上がり【VOO vs RSP】
また、長期投資するのであれば、
暴落時の立ち回りはしっかりと考えて
おかないければなりません。
以下はコロナショック直後の
VOOとRSPのチャートです。
チャートの通り、VOOは約7か月で、
RSPは11か月ほどで元の価格に戻っています。
RSPの戻りが悪いのは、中小型株の組み入れが
多いことによる影響だと考えています。
景気が落ち込むときは大型株の方が一般に有利!
RSPに限らず均等加重平均型の投資信託やETFは、
中小型株や新興国株、不動産のような
景気減退期に値上がりしづらい銘柄や
セクターを組み入れるので注意しておきましょう。
まとめ
今回は時価総額加重平均と均等加重平均について、
それぞれの特徴を解説し、S&P500指数に
連動するETFを比較しました。
☆今回の結論
- 個人的には時価総額加重平均型がおすすめ
- 時価総額加重平均は市場平均に連動できる点でメリットが大きい
- 平均加重平均は小型株の比率を上げてしまう点でデメリットが大きい
- VOOとRSPに関して、2011~2024年まではVOOの方がパフォーマンスが良い
- コロナショックや2022年の暴落時の株価の戻りもVOOの方が早かった
メリット、デメリットを理解した上で、
どちらを選択するかはしっかり考えてみましょう。
また、自分が投資している投資信託やETFが
どちらの方法で運用してるのかチェックするのも
大事やと思います!!